[開設 2017.2.7]
冬にお勧めのフィールドワーク
ミカドテントウをさがそう
ミカドテントウ Phaenochirus mikado (Lewis, 1896)は真っ黒いテントウムシの一種です。ブナ科常緑樹イチイガシに特異的について、そこにつくアブラムシを捕食しています。冬には葉裏に集まってじっとしているのが見られます。イチイガシにミカドテントウがいないかどうか、さがしてみましょう。
持ち物。双眼鏡、巻き尺。
イチイガシと他のカシ類との見分け方
1.葉のギザギザが | |
先端半分にしかない | 左のようではない |
2へ | シラカシ、ウラジロガシなど |
2.葉の裏に | |
細かい毛がたくさん生えている | のっぺりしている |
葉の概形は細長い | 葉の概形は丸みがある |
[写真掲載予定] | [写真掲載予定] |
イチイガシ (少ない) |
アラカシ (きわめて普通) |
区別点(補足) |
樹皮。特に大木では大きく剥がれている。 |
[写真掲載予定] |
落ちているドングリをさがす。殻斗がビロード状の毛で覆われる(アラカシにはない)。 |
イチイガシと確認したら・・・
双眼鏡で一通り、葉裏をチェック。黒くて丸いものがついていたら、ミカドテントウかもしれません。いくつか集まっているようでしたら、その可能性が高いです。手の届く枝なら採集して標本にするといいです。高い枝だと、他のテントウムシの感覚からすれば、網で揺すれば簡単に落ちそうなもんですが、葉裏にピタっとくっついて、絶対(!)に落ちてきません。ミカドテントウをモチーフにした受験お守りを作ろうかと思っているぐらいです。
イチイガシの詳しい位置とミカドテントウのいた高さ(自分の背丈から目算)、巻き尺で胸高直径(胸の高さの直径:樹のサイズ)を記録しておくとよいでしょう。
双眼鏡にスマホのレンズをあてがって撮影(岸和田市内畑・山直神社)。
イチイガシとミカドテントウの分布(途中経過)
※イチイガシは自然ではなく、植栽されることもあるので、ミカドテントウも自然分布でない可能性があります。例えば、近江神宮(大津市)にはミカドテントウがいますが、この神宮の森は平地だったところに、1938年頃に造営されたものです。