Mさん逝去の誤報

若い時からたいへんお世話になって、今は隠居生活を続けられているMさん。「亡くなった」という話を聞いて、確かめもせずに、SNSで情報を流してしまった。情報に振り回されることは誰でも人生にはあると思う。できるだけ眉に唾をつけるようにしてきたが、今回ばかりはすっかり信じ込んでしまった。

過去にも、すっかり信じ込んでしまったことがあった。それは東日本大震災で大津波があった数日後、「また巨大津波が来る」というものだった。たしかテレビでテロップでニュース速報が流れたと思う。「警察と自衛隊と消防が言っている」というもので、後から思えば、騙しやすいシチュエーションが織り交ぜてあるなあと思った。

両者に共通する点がある。それは心のどこかに「そんなことがあったら大変だけど、なるかもしれない」という気持ちを常に持っていたことが挙げられる。なので、その報を聞いた瞬間、「ああ、やっぱりか、その時が来たか」と早合点してしまうのである。

今後、眉の唾の付け方を入念にしなくてはならないと思う。

他方で、年を追うごとに自分が誤っている方向に進んでいることに気づきにくいとも感じている。仕事でも「これが正しい」と思っても、不具合が見つかって初めて、最初の第一歩が間違っていたと覚る・・・。道を歩いていても、同様のことは以前より増えた。

お年寄りをターゲットにした詐欺事件が後を絶たないが、騙されたとわかるまで、上記の私と同じような心理状態で悪い方向へ導かれてしまうのだと思う。お年寄りはその「気づく」所までの時間がより長いから、何回も騙されて振り込んで、というところまで行ってしまう。

金融機関でも職員や周りの人間が気を付けているけれど、衰えも悪人の存在も世の常で、根絶するのは難しい。

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