しやけのドイツ箱 日記(2007年)
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●ヨツモンカメノコハムシ 2007年12月16日10:23
・・・は図鑑では沖縄本島以南にすむと書いてある。先だって、本種ではないかと思われるものを鹿児島で見つけたとのこと。生きたままの標本をいただいた(写真)。
調べてみたところ、鹿児島や長崎ではすでに見つかっているらしい。サツマイモの害虫なので、北上してきたらたいへんだ。
●最近おぼえた言葉
tow(トゥ):(車を)牽引する。
●最近おしえた言葉
「もう一杯ください」(居酒屋で)。
●憎きアメリカザリガニ
2007年12月10日11:39
甲虫学会が開かれた。たくさんの話題が紹介されたが、面白かったひとつが、三重県の某小さな池での生物相の変化だ。
調査が始まったのが21世紀に入ってからで、当時はたくさんの水生甲虫相があったらしいが、アメリカザリガニが入った数年前以降、多様性が激減したらしい。
戦後、ナミゲンゴロウのような普通だった水生甲虫が減った原因として、これまでずっと、農薬の使用開始や圃場整理などが言われてきたが、実はアメリカザリガニが最大の原因ではないかという話・・・。たしかに、かなり旺盛であるのみならず、性質的にも構造的にも、性の悪い捕食者という気がする。
ちなみにアカミミガメは、小さな水生甲虫類には、さほど影響は無いらしいとのこと。
●starving(スターヴィング)
2007年12月02日10:06
カナダの客人と、スキーの話になった。スポーツをまったくやらない私だが、北海道での経験もあり、スキーは自ら進んでやる数少ないスポーツだ。といっても、8年ぐらいご無沙汰だけど・・・。
彼女はロッキー山脈の中で生まれ育ち、物心ついたころからスキー(ダウンヒル、ノルディックの両方)をやっていただけでなく、選手も目指したことがあるそうだ。きっと、「上手い」どころの話ではない。
「アメリカ・バージニア州に移ってからスキーに行ったが、麓からコースの最上が見える程度の広さしかなく、がっかりした」と言っていた。
日本のスキー場には行かないほうがいいかもしれない。
●最近覚えた言葉
starving(スターヴィング):
使用例:「I didn’t have breakfast. I am starving」
ひどく空腹のときに、しょっちゅう使う言葉らしい。辞書には「餓死する」という自動詞で載っている。
●最近教えた言葉
「どんくさい」
使用例:スポーツは嫌いです。どんくさいからです。
●
虫の名前が出ない学会 2007年11月18日18:43
化石掘りの場所を定めるのに、地史研究室のT学芸員(植物化石専門)のところへ、「植生史研究」(植生史学会誌)をしばしば借りに行っていた。興味ある論文も少なくなかったので、入ってもいいかなあと思っていた。
この度、博物館で大会があるというので、この機会に入会し、会員として参加した(映写室係という裏方だったけど)。発表に虫の名前が出ない学会というのは、初めてかも・・・。
昆虫の側から植生史を語れるような研究発表が、いずれできるといいなあ。いくつか、すでにアイディアはあります。
しかし、ひらめきは1%、99%は努力(汗)だ、とエジソンが言っていた展示を最近みたのでした。
●北陸の「ツガ」 2007年11月13日04:40
富山県から福井県をまわった。いくつかの社寺に「ツガ」の樹があるというので、それらに集っている昆虫をチェックをするためだ。
ところが、これらの「ツガ」はことごとく、類似する「モミ」であった。一見たしかに似ているが、私の調べているカサアブラムシはツガだけに見られ、モミには絶対につくことはない。敦賀市では、市指定の天然記念物「気比神社のツガ」でさえ、実際はモミであった。
どうやら、福井など北陸では、モミとツガ(またはトガ)との区別をしていないとらしい(下記URL参照)。結局、1日かけて、本当のツガは1本も見ず終いだった。
萩原(はぎわら)と荻原(おぎわら)の区別はしなくてもいいと思うけど(?)、ツガとモミは区別してくれぇ〜。
●哺乳類の観察 2007年11月09日11:04
淀川のゴミムシの記録を拾っている。私は今年は淀川は着手しない(先に大和川をまとめる!)つもりだったが、ゴミムシ屋の某氏にせかされて、始めるはめに・・・。
Nature Studyの1957年11月号に大倉正文氏による「淀川河原の歩行虫類」という記事があり、ゴミムシの種名が並んでいる。今では見つからない種類もある。
右上に執筆者の横顔が写真入りで入っているので、人柄が垣間みれて楽しい。麻雀と哺乳類の観察の趣味があるそうな。
ちなみに哺乳類の観察場所は、淀と仁川とのこと。
●鳥飼兵治コレクション展
2007年11月06日06:02
にぎわっている翼竜博の裏で、タイトルの展示会が今日(11月6日:火)から始まります。休館日の昨日、何とか準備を終えました。
関西出身の鳥飼さんは戦後、岐阜県高山に移り住みました。当初はほとんど未研究だった飛騨地方の昆虫相解明に尽力されました。
1970年ごろから台湾にしばしば通うようになり、カミキリムシなど甲虫類の調査にあたられました。コメツキダマシの一種 Torigaia bicolorなど、鳥飼氏に因む昆虫もたくさんあります。
氏が2005年に逝去され、コレクションが当館へ寄贈されることになりました。点数は8,000点を超え、貴重なものも多く含まれています。
●鳴かぬなら・・・
2007年10月28日07:04
小学生の娘は今、歴史に興味があるらしい。戦国武将3人の性格を表した「鳴かぬなら・・・・ほととぎす」の句を、家族にあてはめてみたんだって。
自分(小4女):
鳴かぬなら 鳴くまでほっとけ ほととぎす
(家康にやや似るが、無責任で粘りづよさがない。)
弟(4歳男):
鳴かずとも そんなの関係ねー ほととぎす
(小島よしお、かあ)
母(つまり私の妻):
鳴かぬなら 怒って鳴かせる ほととぎす
(いつも怒らせてばっかりなのねぇ、ある意味、すぐに殺される信長より怖い・・・)
そして父(つまり私):
鳴かぬなら 鳴き真似しましょう ほととぎす
(セミ展のラジオ、聞いたんかぇ?)
●淀川の「たまり」
2007年09月27日06:25
淀川は、あんまり普通の川らしい気がしなかった。湿地のある鵜殿でも、水の流れているところは、堤防からずいぶん奥まったところで、「この水があふれ出て、地面を湿らせることはどれぐらいあるのだろうか」と思っていた。「これは淀川が特別、大きいせいなのかなあ」ぐらいに思っていた。
月例のゼミで、Kさんが話してくれた淀川の歴史や、魚を軸とした変遷史で、そのあたりがよくわかった。当初は水運を、近年は治水を理由に、ずいぶん人の手が加わった川である。
今回、初めて知ったのは、赤川あたりにあったという「たまり」。増水時に川筋ができたあと、点々と残った水たまりのこと。まさしくセスジゲンゴロウ類がすむ環境だ。水路と河川敷が明確に分かれている改修後の淀川には、ほとんど無くなったらしい。そういえば、昔の標本に「淀川・赤川」のラベルは多い。
セスジゲンゴロウ類は淀川から5種も記録があったが、おそらく大和川同様、いま調査をしても、ほとんど見つからない気がした。
●英科学誌Natureを買う
2007年09月09日06:20
イギリスの有名な科学誌「Nature」にクマゼミの話題が載り(448巻7157号、8月30日発行)、私の名前も出ているというので、記念のつもりで、西梅田のJュンク堂書店へ買いに行った。
1冊が6,180円・・・。迷ったが買ってしまった。
こんなに高い雑誌があるなんて、知らなかった。
●毎日放送「ちちんぷいぷい」
2007年07月28日06:04
高校生のころ、ちょっとマッシュルームカットというか、プチ長髪だった私は、クラスの女子連中から、「堀ちえみに似ている」と言われていた。クラス会で真似をさせられたことがある。といっても、「きょうかんっっ(教官)・・・」って叫ぶだけなんだけど(「スチュワーデス物語」です)。
そのことを知る高校同級の妻は、昨日(7月26日)の毎日放送「ちちんぷいぷい」の放映があった直後、「堀ちえみと夢の共演!」などというメールを送ってきた。
放送のときは、月定例の学芸会議の最中だったが、事務屋から「毎日放送から緊急の電話」とかいうので、出てみたら、「初宿の姓はどこの地域のものか、出演者が尋ねている」とのこと・・・。あとで録画を見たが、板東英二氏が「初宿」の珍姓をいじっていたのが、とてもおかしかった。
午前に取材が決まり、その日の昼に来て、その日の午後に放送・・・。番組自体は出演者らが行き当たりばったりで、適当にしゃべっている感じ(むかしの「夜クネ」のノリか?)だが、取材そのものは「意外に忙しいんだなあ」と思った。
ただし、素材の鮮度が、とても高いのは間違いない。取材を受けた本人がそう感じるから、視聴者も同様だろうと思う。
●学芸人 2007年07月18日09:03
週末のワークショップは、セミかぶりもので臨んだ。好評だったみたいで、記念撮影もたくさん頼まれた(Kさん、ありがとう)。
今日は午前はfm-Osakaのセミ展生中継、午後は茶屋町まで行って、毎日放送ラジオで収録。
明日はテレビ大阪の情報番組で、「ひかりごけ」とかいう芸人とセミのぬけがら探し。
なんか、学芸人の道を突き進んでいる感じ・・・。
●コクヨは良い 永一
2007年06月22日18:00
展示室内のパネルのレイアウトを考えている。
壁にA1のパネルを貼るとして、A1の大きさはいくつだっただろうか・・・。
このようなとき、この言葉を思い出すとよい。
「コクヨは良い 永一」
59.4(こくよ)×84.1(はよい):A1
という語呂あわせ。A2は「はよい」を半分にすればいい。42.0。A3はさらに「コクヨ」を半分に。
文具として、コクヨがいいかはどうかは知らない。
●世界一のセミ展、開幕まで、あと13日
●原稿用紙を埋めるには
2007年06月10日13:06
小学生ぐらいのころ、「読書感想文を書いてこい、原稿用紙何枚・・・」という宿題がよく出た。本を読むのは好きではなかったし、感受性の鈍感な少年だったので、その課題本を読み終えたところで、特段の感想もない。
原稿用紙との格闘が始まる。何も書きたいことがないから、何を書いていいかわからない。そのまま本のくだりを引き写したりしてマス目を埋めた。
開幕1ヶ月を切って、セミ図鑑と格闘している。見たこともない外国のセミの解説なぞ、書けるわけがない。他の人の研究論文を引用できるところはいいが、南米、アフリカなどは文献さえもほとんどない。必然的に空白が大きく出来てしまう。
仕方なく、枠で囲ってコラムで埋めることにする。しかし、ページまるまるコラムというのもつらい。時間もない。
この作業をやっていてよくわかったのは、ページを埋めるのに、最も手っ取り早い方法は、やはり写真だ。そのままバサッとハメこめばいい。ラクチンラクチン。
次に楽なのは、苦しくても文章を書き切ること。
いちばんしんどいのは図だ。時間も手間もかかる。
●世界一のセミ展、開幕まで、あと26日
●セミ展の準備風景
2007年05月26日20:14
・・・のサイトを作りました。完全公開にしています。常時更新する予定。いまのところ。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/shiyake/making-of-semi2007.html
●世界一のセミ展、開幕まで、あと41日
●紙芝居「17年ゼミと鳥
」 2007年05月14日11:54
中央図書館での展示(19日[土]から)の製作準備中である。以下のような紙芝居を作った。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/shiyake/17year-cicada.html
●特別展「世界一のセミ展」、開幕まで、あと54日
●45847位 2007年04月18日18:05
以前、飲み会の席だったか?で話題になったサイトを見つけた。
「日本の姓の全国順位データベース」
(静岡大人文学部・城岡研)
http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~jjksiro/kensaku.html
初宿で検索すると、45847位。
日本には約10万の姓が存在するというから、それでも上位半分に入っていることに?
●バージニア工科大学
2007年04月17日16:27
・・・で銃乱射事件、30人以上が死亡した。この大学は、私が共同研究をしているアメリカ側のカウンターパートのひとつで、先だってもここの共同研究者が来日していた。
メールを送ってみたところ、昆虫のdepartmentとは異なるエリアで起こったらしく、幸い身内に被害は特には無いとのこと。大学が警察に封鎖されてしまったので、この機会に故郷へ帰ると言っていた。
なだらかなアパラチア山脈の東にあるこのキャンパスへは、2006年1月に行った。とにかく広い。建物と建物の間にスペースがたくさんあり、駐車場も多い。学生が車を乗り入れてもOKとのこと。
日本ではさほど知られていないが、米国内ではテクノロジー関係などで有数の有名大学らしい。
●店の名はライフ 2007年03月18日15:43
スーパーの「ライフ」長居公園店へは日常、いろんなものを買いに行くが、ポイント制が出来てからも、ポイントカードをずっと作らずにいた。財布の中がカードでいっぱいになるのが嫌だからだ。
でも、レジのたびにしつこく聞かれるので、今日ついにカードを作ることにした。
滋賀県民の会員って、たぶんすごく少ないのではないかと思う。
PS 「店の名はライフ」という歌は実在します。店は無くなったけど、「ニューライフ」時代は知ってます。
●3本のシイ 2007年03月14日07:40
昆虫調査のため、関東に来ている。東京、筑波、日光が調査地だが、ずっと気になっていた箇所がある。茨城県笠間市片庭のヒメハルゼミ北限地。国の天然記念物になっている。
足を伸ばすかどうするか、だいぶ迷ったあげく、思い切って行ってみることにした。もちろん今はセミはいないが、森を見るだけでも意味はあろう。夏のセミ展の後では意味がない。
笠間市片庭には、楞厳寺と八幡神社の2カ所の産地があり、両方に行ってみたが、どちらも生息環境は劣悪だ。特に八幡神社のほうは、小高い丘にシイの木が3本あるだけで、周囲は杉の疎林だ。
近所の方の話では、当然ながら、そのシイの木からしか鳴き声が聞こえないとのこと、また、昔よりかなり減ったという話。もっともこの方、40年間この森の前にすんでいるが、セミそのものは見たことがないそうだ。
地元では「弘法の七不思議」に数えられるほど、古くから知られていて、むかしは市役所が「ヒメハルゼミ提灯」も作っていたとか・・・。どんなものか見てみたいものだ。
写真:八幡神社の3本のシイ(中央)。両側は杉林。
●74点 2007年02月19日05:36
18日(日)に「ハンミョウの見分け方」実習を開催した。ハンミョウの標本25個を準備し、それを実際に絵解き検索をみながら同定する。
しかし、平均点は18.5点(100点満点で74点:自己申告のあった16人のデータ)。「高い」と見るかもしれないが、私は「誰でもわかる」を目指していただけにショックだった。
絵解き検索で、いくつか致命的な不備も発見・・・。ちょっと再構成せんとアカンなあ・・・。
●ミニガイド「ハンミョウ」脱稿!
2007年02月07日18:37
ミニガイド、最後まで書き上げました。レイアウトもして、印刷見本も作りました。博物館研究棟の踊り場に掲示しているので、ぜひ見てください。誤植発見1箇所につき1ポイントさしあげます。30ポイント溜まったら、何か差し上げます。2月20日ごろには印刷屋へ入稿する予定です。
表紙デザイン(予定)をアップします。
●鼻歌ランキング
1位:六甲おろし
●ミュージアムグッズ 2007年01月20日10:39
・・・のネット販売が開始になった。
http://omnh-shop.ocnk.net/product-list/2
私の作ったものも、何品かある。
むかし、美術の成績なんてひどかった。人様にお見せするようなものを作って売るなんて、考えられなかった。
●大和川クイズ(解答) 2007年01月13日06:53
前日のクイズの答えです。
問題1:河口から・・・・
O: 阪神高速湾岸線・大和川橋梁(住之江区)
L: 阪堺大橋(住之江区)
G: 国道26号線・大和川大橋(住之江区)
K: 南海本線・鉄橋(住之江区)
N: 阪神高速堺線(住之江区)
R: 大和川橋(住之江区)
M: 阪堺電車(住吉区)
P: 遠里小野橋(住吉区)
J: 南海高野線・鉄橋(住吉区)
B: JR阪和線・鉄橋(住吉区)
A: 吾彦大橋(住吉区)
D: 行基大橋(東住吉区)
H: 下高野橋(東住吉区)
F: 近鉄南大阪線・鉄橋(東住吉区)
C: 瓜破大橋(平野区)
I: 高野大橋(平野区)
Q: 明治橋(平野区)
E: 近畿自動車道/新明治橋(平野区)
(KとNは川の上で交差するので、入れ替えても正解)
問題2:
住之江区:6
住吉区:5
東住吉区:3
平野区:4
問題3:
最寄りは合流点のすぐ上にある吾彦大橋、もうひとつは少し下にある JR阪和線でした。
最高得点の茶狸さんに、プリンをさしあげます(そのうちに、前回の賭の景品を兼ねて)。
●大和川クイズ 2007年01月12日05:53
問題1:大阪市と対岸の堺市・松原市の大和川には、以下の18の橋がかかっている。河口から順に並べよ。
A: 吾彦大橋
B: JR阪和線(鉄橋)
C: 瓜破大橋
D: 行基大橋
E: 近畿自動車道/新明治橋
F: 近鉄南大阪線(鉄橋)
G: 大和川大橋
H: 下高野橋
I: 高野大橋
J: 南海高野線(鉄橋)
K: 南海本線(鉄橋)
L: 阪堺大橋
M: 阪堺電車(鉄橋)
N:阪神高速・堺線
O: 阪神高速・湾岸線
P: 遠里小野橋
Q: 明治橋
R: 大和川橋
問題2:上記のうち、最も多くの橋がかかっているのは何区か?
1:住之江区 2:住吉区 3:東住吉区 4:平野区
問題3:西除川合流点に最寄りの橋を2つ述べよ。